例えば、XXとか。

「 あなたって人はっ…… 」

「 文句あるなら親に楯突いてみろ!」




顔合わせの日から三日……

いつの間にか母と父が新居にと家を買っていた、そして忙しく引っ越したものの、口数少なめでいながら優しさ溢れていた笑顔の彼、碧斗がとんでもない事を言い出したのだ。



「 父さん、俺… 一人暮らしする。もう子供じゃないしいいだろ? 今アパート探してるから 」



この発言に驚き、新しく家族となり暮らすはずの家を出ると言う碧斗が信じられなかった。

そして、ずるいとも思った。

一人暮らしなら私だってしたい。

なんなら新婚となる親が二人で新居を満喫しても構わない。

父が碧斗にどうしてだ、と話をしてる中で、私も一人暮らしがしたいと気持ちが前に出た。




「 お母さん、彼が出るなら私も一人暮らししたい。ダメかな?自炊もして、勉強もちゃんとするし、ここにも顔出すから 」



父に気を使われるのも使うのも、気が引ける。

私も一人暮らしなら、気が楽だ。

そんな風に考え言った事が最悪の事態を招いてしまった。



「 わかったよ、二人とも。碧斗も伊織ちゃんもよく聞きなさい、私たちは家族になったばかりだから離れたくはないが意思は尊重する。
でも、一人暮らしは認めないが二人でなら許す 」



父に、そう言われてしまい愕然とした。

一人暮らしではなく、二人暮らし。

つまり、碧斗と暮らせと言うのだ。




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