例えば、XXとか。
おはよう、おやすみ、そんな些細な当たり前の一言もない私と碧斗。
息苦しい……
気を使わなくて済むにも、これではかえって変に疲れる。
ため息は何度出しても減らない。
碧斗がシャワーから出て部屋へ、すかさずシャワーに入るが出ようとした時に問題発生。
碧斗が洗面所で歯磨きし始めたのだ。
う、出れない……
なんで歯磨きしてから出ないかな!
これじゃ時間が……
碧斗は歯磨きを終えてもまだいる。
髪をセットし始めたのだ。
あ~ いい加減に出てよっ
幸いしているのは、浴室扉の前には一枚のれんをかけてあるため硝子戸から透けて見えることはない。
だが、碧斗は私がいるのを知っていてわざと入ったに違いないと思い声をかけた。
「 ねぇ もう出てくれない?着替えたいんだけど 」
やっぱりかと思うほど返事はない。
体も冷えるため、またシャワーを浴びて温まり、もう意を決して出た。