浅葱色の魁
近くにある柱に手をつく



〝斬られた…?〟


左手で額を触る

ヌルッと血の感触


フラリと庭におりると風が心地良く感じた


「すまねぇ!!待たせた!!」


土方の隊が踏み込む


〝もう…いいかな…〟



「おい!平助!!何、突っ立ってんだよ!」


土方が、肩に手を置くと
ぐにゃりと崩れる


「平助!!…おい、平助!!」


血に染まった顔を撫でる


「平…助?」


今にも止まりそうな呼吸に
土方が、首を横に振る


「死ぬな…平助、死ぬなって!!」


土方の声に、幹部らが集まる


「平…す… 君…」


「総司!!」


「僕は… 大丈夫… 平助…君…」


すでに陽が昇り、辺りがよく見えた


「怪我人を先に出そう」


戸板に乗せられ、店の外に出ると

陽乃が家人と一緒に駆け寄ってきた



「平助様!!! 土方さん!!
平助様は、我が家に運びます!!!
平助様は、私が助けます!!!」


「陽乃… 頼んだ」


「はい!」


「死なすなよ!!」


「はい!!」











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