浅葱色の魁
池田屋襲撃から   三日





浅野家










「平助様… お願い… 目を覚まして…」








高熱に魘され続けた3日間
ようやく熱が少し下がったが
平助が目覚める様子はなかった



永倉と原田が、見舞いに来た



「すみません… まだ」


「平助!!諦めんなよ!!」


「平助!!起きろ!!」


「あ… 兄… う、え…」


「平助」


「俺たちがわかるのか!?」


「お前は、俺らの弟みてぇなもんだ!!」


「兄…上…」


「諦めんな!!戻ってこい!!」


「平助!!俺、子供が産まれたんだ!!」


「兄上…」


「……平助様」





囈言で〝兄上〟と何度も繰り返し

すやすやと寝息をたてはじめた




「平助様…お二人のおかげで
凄く楽になったようです!!
平助様が目覚めたら、すぐに知らせをやりますね!」



「おう!平助!!何時までも寝てると
縮むぞ!!早く起きろよ!!」



「頑張れよ!待ってるからな!!!」






目覚めたのは、翌日の昼





「平助様が目覚めました!
新選組に知らせて!」



「陽…乃…」



「ここにおりますよ!」



「目が重っ」



「腫れてますから」


「陽乃… こっち…来て」



「きゃあ!」


平助に引かれ
体勢を崩し、布団に倒れ込む



「一緒に、寝よ…お前、顔色悪い」


「ちょっ!!!平助様!!!
や!離して下さい!!」


すっかり抱きしめられて、動けなくなり
顔を赤くしていると



「元気そうで、なによりだな…
起きて早々、襲ってんなよ!!」


土方の声が上から降ってくる



「/////ほら!平助様!!恥ずかしいです!」


「頭… 凄え、痛ぇ… なんで…」


「名誉の負傷だ
陽乃、無理させんなよ!じゃあな」


「ん?土方…さん?」


「はぁ、まだ朦朧としてんだろ?
また明日、様子を見に来る」


土方が頭を撫でると
気持ち良さそうに目を閉じた



「平助様…私の顔色が悪いからって
心配して下さったの
起きて…間もないのに…」


「そういう奴だよ
次、目覚めて心配されねえように
お前も寝ろよ
平助は、大丈夫そうだからな!」


「はい/////また明日」


「おう、明日な」









< 102 / 283 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop