浅葱色の魁
数日後


「俺…
覚悟してたのに…
もう少し… もう少し…って
生きることばっかり考えてて
斬られても…
倒れちゃ駄目だって…
死ぬ気で踏み込んだクセに
可笑しいなって気づいてさ
……もういいかなって
諦めてから… ずっと夢見てて
久しぶりに兄上達に会えたんだ
それから… 陽乃の声がして
あんなに弱い陽乃の声聞いたら
心配で… 顔色悪いし…
ごめんな… 陽乃…
看病ありがとう」



「平助様」






幹部らが交代で見舞いに来る

笑顔を絶やさず、元気に振る舞う 




顔の腫れが引いて、長い時間
起き上がれるようになると



夜、屋根上に上がるようになった




「平助様!こちらにいらしたのですね!」



陽乃が、平助に近づき
ピタリと立ち止まる



〝本当は、生き残ってはいけなかった
新選組や藤堂家、浅野家や陽乃の為に
俺は… 〟


平助の頬を涙が
静かに、伝う



「死に損なった…」


「平助様… 藤堂家や私たちの為に
気を使っているの?
私たち…… 平助様が生き甲斐なのよ!?」


「ありがとう……陽乃」



平助がふわりと笑うと
陽乃が平助を抱きしめる


「生きて……お願い…
私は、平助様のためなら
何でもしますから!お願い…」


「うん……俺…体力落ちたからさ
鍛えてくれる?陽乃先生!?」


「っ!!先生は、お辞め下さい!!!」



「クスッ 陽乃」


「/////」



怒る陽乃を今度は平助が抱きしめた




「ごめん……もう少し…藤堂平助でいたい」



「おまかせ下さい!
私にとって、平助様は藤堂平助以外の
何者でもありません!
私が、そばにいますから!」



「ありがとう」



陽乃の額にチュッと口づけをした

「/////平助様/////」





〝土方さん…もう、間違えてくれないな〟






「あ、頭痛ぇ」



「ほら!無理するからですよ!」




























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