浅葱色の魁
「君は、諦める癖がある
試合の時、1本をとれるのに
小技での攻めに転じたり
今も、自分がしたいこと
諦めようとしている」


「……」


「君より、長く生きている分
人の気持ちに敏感なんだよ
君の心は、諦めたくないと叫んでいる」


「黙れ」


「ちゃんと聞きなさい!」


「うるさい!!」


「諦めるんじゃない!!!」



穏和な山南のどこから、そんな声が出るのか、殺気にも似た大声だった




「諦めちゃいけない!!!
君は、もっと強くなる!!!
今、道を踏み外せば
君は、元の道に戻ることすら諦める!!
平助君!!僕が、君の道しるべになろう!
君がしたいことを僕が叶えてあげよう!
いつか、諦めなくてよかったと
言わせてみせるよ!!!」



「すげぇ自信……」



キョトンと山南を見つめ



崩さない自信満々の笑みに
吹き出した



「あははははっ!!!」



「真面目に言ってるのに!!!
平助君!!!なんで、笑うんだよ!!!」



「あははははっ山南さん!!
あんた、面白い人だったんだな!!」


「だから!!僕は、真面目に……」



「ありがとう」


山南が見る限り、1番の笑顔だった


「じゃあ!一緒に!!」


「ない!それは、ない!!!」


「……聞いてもいいかな?
あの日、どうして帰ったんだい?」


「なんで…かな」


「平助君、君は若い
その若さで、何を抱えているんだい?
僕が力になるよ!」


「山南さん 試衛館、行きなよ!」


「平助君も一緒に!!」


「遊びに行くよ」


「試衛館に入ろう!」


「気が向いたらな!
おかげさまで、諦めたくないことが出来た」


「え?」


「多分、玉砕してボロボロになるかも
道しるべ よろしくな!」


「うん!任せなさい!!!」



















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