浅葱色の魁
女物の着物に身を包み
育ての父 高猷を訪ねた
「へっ…!!っと、おのぶさんとやら
いかがされた?」
宣虎 という、本来の名を知る父なら
分かると思っていたが
まさか、平助が会いにくるとは思っていなかった為、人払いをしなかった
「家族の元に、帰りたく存じます」
それらしく、相談のように話してみる
「残念だが… それは、無理だよ
君の家族は、亡くなったとある」
平助は、頭を上げ、父と見つめ合った
「育ててくれた両親と兄弟に
感謝しております
直接、伝えられたら…と」
「私が代わりに聞こう」
「お世話に、なりました
ありがとうございました」
「立派に… 幸せに… なりなさい」
父の震える声に、拳を握る
「家族は、本当に亡くなったのですか?
もう一度、皆で暮らせることは
出来ませんか!?」
「出来ない」
「わかりました」
江戸までの帰り道は、用意された籠に乗り
その中で、声を殺して泣いた
翌日
試衛館へ
「平助君!!良く来てくれた!!」
まるで、ずっと昔からの友を迎えるように
近藤が歓喜の声を上げた
「いや、山南さんに会いに来たんだけど」
さらりと近藤をかわして
山南の前に行くと
すぅーっと大きく息を吸い
「やっぱり、ダメだった!
でも、スッキリした!!
俺は、もっと強くなる!!
強くなって、いつか…
すげえ奴になっから!!」
山南は、クスリと笑い
「僕の責任は、重大ですね」
「おう!よろしくな!!じゃ!帰る!!」
「え?」
「平助君!少し話を…」
「おーい!1本やらねぇのかぁー?」
「あー、行っちゃいましたね」
道場に土方が入ってくる
「騒がしい奴だなぁ…アイツが来ると
皆、嬉しそうだな?」
「ヤキモチか?歳?」
「は?んなわけねぇだろ!!!」
「クスッ ムキになってる!」
「るせぇ!!つーか、すげえ奴って何だよ!
アイツ、何になるつもりなんだ!?」
「いいじゃねぇーかよ!」
「そうさ!夢は、大きい方が良い!!!」
育ての父 高猷を訪ねた
「へっ…!!っと、おのぶさんとやら
いかがされた?」
宣虎 という、本来の名を知る父なら
分かると思っていたが
まさか、平助が会いにくるとは思っていなかった為、人払いをしなかった
「家族の元に、帰りたく存じます」
それらしく、相談のように話してみる
「残念だが… それは、無理だよ
君の家族は、亡くなったとある」
平助は、頭を上げ、父と見つめ合った
「育ててくれた両親と兄弟に
感謝しております
直接、伝えられたら…と」
「私が代わりに聞こう」
「お世話に、なりました
ありがとうございました」
「立派に… 幸せに… なりなさい」
父の震える声に、拳を握る
「家族は、本当に亡くなったのですか?
もう一度、皆で暮らせることは
出来ませんか!?」
「出来ない」
「わかりました」
江戸までの帰り道は、用意された籠に乗り
その中で、声を殺して泣いた
翌日
試衛館へ
「平助君!!良く来てくれた!!」
まるで、ずっと昔からの友を迎えるように
近藤が歓喜の声を上げた
「いや、山南さんに会いに来たんだけど」
さらりと近藤をかわして
山南の前に行くと
すぅーっと大きく息を吸い
「やっぱり、ダメだった!
でも、スッキリした!!
俺は、もっと強くなる!!
強くなって、いつか…
すげえ奴になっから!!」
山南は、クスリと笑い
「僕の責任は、重大ですね」
「おう!よろしくな!!じゃ!帰る!!」
「え?」
「平助君!少し話を…」
「おーい!1本やらねぇのかぁー?」
「あー、行っちゃいましたね」
道場に土方が入ってくる
「騒がしい奴だなぁ…アイツが来ると
皆、嬉しそうだな?」
「ヤキモチか?歳?」
「は?んなわけねぇだろ!!!」
「クスッ ムキになってる!」
「るせぇ!!つーか、すげえ奴って何だよ!
アイツ、何になるつもりなんだ!?」
「いいじゃねぇーかよ!」
「そうさ!夢は、大きい方が良い!!!」