浅葱色の魁
平助が、自室へ行ってしまい

沖田のそばで、ポロポロと泣いていると




「ど…どうしたの!?」



沖田が、目を覚まし驚く



「平助様に、フラれました…あはっ…
わかってたのに… 私…」



沖田が陽乃を抱きしめた


平助と違う、本物の男の匂いや胸板に
体が強張る



「僕がいるよ」




沖田の優しい声に、肩の力が抜けると





ちゅっ







「!!!!!!」





沖田が陽乃に口づけをした






「これで平助君とお相子だからね!」



「/////」



「僕を好きになって貰えるように
頑張るから!!!」




翌日



屯所への帰り道




「陽乃に口づけしました!」


「そう」


「平助君は、僕に陽乃をくれようとしてる
なんで? 陽乃は、泣いてたよ」


「そのうち忘れるよ
総司が忘れさせれば良い」


「平助君?」



「ん?」



「何か企んでる?」


「は?何?」


「帰ってくるよね?」



「はははっ 総司も陽乃も変なの
隊士募集に行くだけなのに…」




「じゃあ!帰って来るっていいなよ!」




「……帰るよ
つーか、帰るだろ?
当たり前な事、聞くなよな!!」




「だって……平助君、消えそうだよ」





「江戸くらいで大袈裟だな」










平助が、へらへらと笑う度に
沖田は、不安になった






< 121 / 283 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop