浅葱色の魁
平助が、江戸へ行く朝




「くれぐれもお体にお気をつけ下さい」


「平助君!文くらい書いて下さいよ!?」





陽乃と沖田が、平助に詰め寄る




「おやおや?平助にばかり
総司は、私より平助が心配なのかい?」


「近藤さん!」




隊士募集へ行く 近藤と平助らを
賑やかに見送る



「平助!近藤さんに迷惑かけんなよ!?」


「陽乃がとられねぇように
俺が、見張っておくからな!!!」


「新八も狙ってんじゃねぇの?」


「ばっ!!馬鹿!!可愛いとは想ってる!
でも、俺は平助の女に手をださねぇぞ!」


「新八も後から江戸に来るんだろ?」


「あ、そうだった」


「左之、新八をよろしく!」


「おう!任せろ!」


「ったく!大袈裟な見送りだな!」


「歳!行ってくるよ」


「おう!近藤さん、平助 気をつけてな!」


「はい」







〝土方さん…
新選組が伊東さんを欲しいというなら
俺は、その願いを叶えるよ〟










平助が、江戸へ













「一つ聞くが…
お前ら、その大袈裟な見送りは
なんか心配事があるからだろ?」




何時までも、平助達の背中を見送る
沖田と陽乃に、土方がギロリと見やる


「心配事というか…
平助君、帰って来ないような…」


「んなわけねぇだろ!ばぁーか!
俺達が平助を信じてやらねぇでどうする!」





〝やはり… こいつらも…
平助が心配だ…
とはいえ、伊東大蔵を落とすには
平助の口添えが必要だろう
平助、無事に帰って来いよ〟
















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