浅葱色の魁
毛内は、口をポカンと開けた後




「変わった女だなぁ
新選組の組長やってんのか!?」



「女ってことは、誰にも言ってない
体に酷い火傷があるからって
見せないようにしてるんだ
でも、その先生には、バレて…
バラされないように
今回、自分から体を……っ」



「それで……死のうとしたのか?
もったいねぇ!!!二度とすんなよ!!!」



「もったいない……」



「もったいない!!
よく見りゃ綺麗な顔じゃねぇか!
どこにでも嫁にいける!
それに、新選組の組長っつったら
たいしたもんだ!そこら辺の男より
強いはずだろ!?
俺は、お前のこと立派だと思うぜ!
そんな小さな体で、男より努力してんだろ
そうやって生きる為に、体を使ったんだ
恥じることなんかねぇよ!」



今度は、平助が口をポカンと開けた




「ん?なんだこりゃ?」



毛内が近くに落ちていた文に気がつく



「陽乃からの文」


毛内から受け取り、文を開く




『平助様 お変わりございませんか
江戸に残留すると聞き、寂しくなりました
お身体にお気をつけて下さい
1日でも早く平助様に会える日が来たら良いと、待ちわびております 陽乃』




「陽乃」


「かぁー、女に女がいんのか?
ずりぃなぁ~モテる顔だもんなぁ
待ってる女がいるんだ
帰ってやらねぇとな!?」


「毛内さん ありがとうございます」


「礼を言われることはしてねえよ
ただ……女ってこと内緒にするからよ
俺を新選組に入れてくれねぇか?」


「え…」


「新選組の募集を聞いて来たら
小屋から音がして、助けたら
組長だときた!話が早えだろ!」


「言うなよ!?」


「おう!口は、固ぇぞ!」


「よし!宿に戻ろう!」





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