浅葱色の魁

京では、伊東甲子太郎が参謀になり

屯所移転先を西本願寺にすると動き

反対する山南とギクシャクしていた





「私、伊東先生には、馴染めません!」



陽乃達、女中は伊東を嫌った


というのも




「陽乃さん?あら?まだ子供じゃない!
平助君の許嫁っていうから…クスクス」


皆の前で、陽乃をからかったからだ



ちょこちょこと弄られ


その度に、山南に愚痴を言うことが
通常となり




「平助君が、貴女みたいな子供を
本気で相手にすると思ってる?」




朝から、そんな事を言われ

山南の部屋に逃げ込んだ




「…? 山南さん?」





この時間、必ず部屋にいるはずの山南が
いないことに

背筋がゾクリとする





文机に






『江戸へ行きます』







書き置きを見つけ

土方の部屋に向かう






「おう 陽乃どうした?」


「土方さん!山南さんが…」




書き置きを見て、試衛館の幹部だけを
召集し、こっそり動くことにした




しかし





「山南君の姿がみえませんね」




伊東に気づかれた







< 131 / 283 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop