浅葱色の魁
平助が山南に、ちょこちょこと会いに行くようになって、1年



土方が、自分を覚えていないと確信
安心し、そっと唇をなぞる


「なんだろ… ちょっと寂しいかも…」





試衛館の門を前に、複雑な気持ちに
わけがわからず、腕組をして悩む




「おい!道場破りでもすんのか?」

「へ? あぁ土方さんか」



悩みの種が現れ、何もなかったように
振る舞う



「なんだよ」


「別に あ!山南さーん!」


「はぁ~ 落ち着きのねえ奴」


「やあ!平助君!」


「こんにちは!近藤さんいる?」


「おや?近藤さんに用かい?」


「手合わせするなら、近藤さんの許可がいるんだろ?」


「平助君!!僕としよう!!ねっ!!」


「……あの人とする」


平助が指したのは、永倉


「よっしゃ!やろうぜ!!」


「えー、僕ずっとしたいって
お願いしてたのにぃー!!」


「え?そうだっけ?」


平助が、初耳といった顔をした



「そうだよ!!」


「じゃあ、2試合お願いするよ!」


「僕、近藤さん呼んでくるー!!!」







近藤の許可を貰い

試衛館の木刀で素振りをする


「これいいね」

「天然理心流は、実戦を想定した訓練をしてるんだよ」

「重くないかい?」

「俺の刀よりは、軽いよ」

「おや?平助君、刀を持っているんだね」

「うん」









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