浅葱色の魁








それは、夜中の大捕物の出来事だった


















土方が止めるのも聞かず


「平気!中を探ってくる!」




平助が押し入る屋敷に、忍び込んだ



既に潜入している山崎を探し
うろうろする





「!!!」






平助を追い侵入した土方の姿を見つけた



〝デカイから、目立つっての!〟



焦り、隠れる場所を探す土方が

グイッ


平助と部屋に入る



「何してんだよ!平気って言ったろ!」


「何が平気だ!馬鹿!勝手なことすんな!」


「勝手は、そっちだろ!
誰が指揮すんだよ!」


「あ……こ、近藤さんか永倉?」


伊東は、屯所待機の為
2人の名前をあげる


「俺に聞くなよ… 土方さんらしくないな」


「誰か来る…こっち来い!」



土方にグイッと引き寄せられ
狭い押し入れに隠れる


平助の目の前には、土方の喉があり
ドキドキと心臓が高鳴る


〝近い!近い!どうしよう!!!〟




時々かかる土方の息にすら
ぎゅっと目を瞑る



無意識に土方の胸元、着物をきゅっと握る





「大丈夫… 大人しくしてろ」




耳元で囁かれ

さらに心臓が高鳴る



思わず手に力が入る




平助が不安になっていると
勘違いした土方は、そっと背中に手を回し
優しく撫でる



〝なっ!何!?なんで!?
ちょっと!何で抱きしめられてんの!?
やばいって!! 撫でるな!!!
サラシがバレる!!!〟



〝のぶ…
のぶもこんな感じだったような…〟











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