浅葱色の魁
「新選組だ!!」




遠くで近藤の声がした



土方が、ハッと我に返る



「いくぞ!」


「おう!!/////」



お互い、赤い顔がバレないよう
気合いを入れる





捕り物を終え


毛内と並び、屯所へと歩く



「土方さんも平助が好きなのか?」


「女の時に会ってて、のぶって名乗ったから
俺というよりは、のぶ」


「一緒じゃねぇか!」


「土方さんには、別人に見えるらしいよ」




その翌日




宴があり



君菊と赤子が参加した
幸せそうな土方を遠目に、微笑む





〝もう……忘れたよな
幸せそうで、嬉しい〟




「そういうことか」


「ん?」


「お前、諦めたんだ?」


「……」


毛内の言っていることがわからず
無言になる



「最初から無理だって、思って諦めたんだろ
男でいたいからって、そうだろ?
でも、伊東さん見てたらわかるだろ
お前の生き方なんて関係ねえよ!」



〝のぶだから…好きになったはず
額の傷で見分けられたら
嫌われるに決まってるのに……〟



「有助!何言ってんだよ!
俺は、土方さんの幸せを願ってるから
俺じゃ あんな可愛い子は、産めない」



「男でいたいからだろ?」



「うん 諦めたっていうより
俺には、その道しかなかった
それだけ、だから…」












〝伊東さんに抱かれるのも
そういうことなんだと思う〟






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