浅葱色の魁




いつもの巡察と何も変わらない


どちらかといえば



穏やかな町の雰囲気













土方から頼まれた買い物をするため


「よし!解散!」


平助が平隊士を先に帰した



「一、俺は買い物して帰るから
報告頼んだぞ!」


「わかった」



斎藤とも別れ





目的の店で買い物を済ませる

それを懐に入れ




人気のない場所へ






「出て来なよ
つけてるのわかってるんだけど」








平助の呼びかけに

大柄な男と細い男が、現れる





笠で顔を隠しているが
きちんとした身なり



〝徳川の者か?〟




「俺に、何か用か?」




「これは… 間近で見ると生き写し
家定様そのものですな」




〝あー、やはり徳川の人か…〟




「お戻り頂きたい」








〝さて、どう切り抜けるかな…〟





「あの…どなたかと人違いしてません?」





「藤堂平助、貴方様が家定様の御子息であることは、存じております!
徳川家の正当な血筋、文武両道と聞き
是非、次期将軍におなり頂きたい!!!」


「よく、誰かに似てるって言われるんだよ
でも… 人違いだから」











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