浅葱色の魁
五
長らく留守にしていた伊東が帰った
久しぶりに伊東に抱かれ
ぼぉーっと天井を見ていると
「平助」
愛おしく優しく包むように呟かれた
初めて呼び捨てにされたことより
その愛情に満ちた声色に驚いた
「なに」
「会いたかったよ」
まじまじと伊東を見る
〝もしも…
伊東さんが俺を好いてくれていたとして
俺が…伊東さんを好きになれば
辛くなくなるのかな…〟
「クスッ平助は、そうでもなさそうだね」
「こういうの… まだ馴染まないから…」
「今日は、俺が先に帰るよ」
「うん」
伊東が部屋を出ると
ポロ
平助の頬を涙が伝う
泣くことを見透され、先に出た
伊東の気遣いにも複雑な気持ちになる
久しぶりに伊東に抱かれ
ぼぉーっと天井を見ていると
「平助」
愛おしく優しく包むように呟かれた
初めて呼び捨てにされたことより
その愛情に満ちた声色に驚いた
「なに」
「会いたかったよ」
まじまじと伊東を見る
〝もしも…
伊東さんが俺を好いてくれていたとして
俺が…伊東さんを好きになれば
辛くなくなるのかな…〟
「クスッ平助は、そうでもなさそうだね」
「こういうの… まだ馴染まないから…」
「今日は、俺が先に帰るよ」
「うん」
伊東が部屋を出ると
ポロ
平助の頬を涙が伝う
泣くことを見透され、先に出た
伊東の気遣いにも複雑な気持ちになる