浅葱色の魁
徳川慶喜が将軍になって、すぐ



孝明天皇が亡くなった





それを機に、伊東が動き始めた















年明け早々


伊東が、永倉と斎藤を連れて門限を破り
謹慎処分となった




「平助みてぇなことすんなよ!」


「俺の名前を使うな!」




土方が伊東を嗜める




「平助君も門限破りあるのかな?」


「ねえよ!人に組長らしく振る舞えとか
言っておいて、参謀が何やってんだか!」



ここぞとばかりに、伊東にチクリ




「たまには、ハメをはずしたくなるもの
少々、深酒がすぎましたがね」







伊東が新選組を離脱するため
有志を募集していた





そんなある日






平助が、ひとりで町を歩いていると


「藤堂平助か?」



笠を深く被った男が声を掛けてきた





「そうだけど」


「高杉晋作の使いの者だ」


「晋作の?」


「コレを……」




差し出されたのは、晋作に渡した
家紋が入った巾着だった


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