浅葱色の魁
庭で木刀を使い

春嶽と康正の2人に勝つ




「これほど強いとは…」


「うむ、女子では勿体ない…」





大喜びしている平助を遠くから
土方が見る



「平助…」



着るものや髪型を変えても
平助は、平助なのだと安堵する



ただ、目の前で慶喜に口づけを二度もされている姿を見た土方は
平助が、どこか違う世界に行ったような
嫉妬を超えて、さみしい気持ちになった


「土方さん 交代だ
……平助見てたんだ?」

「ああ 本当に姫様なんだなぁ」


「やっと会えたのにな…」



交代に来た永倉の肩にポンと手を置く





「さぁ 足を洗ってお部屋に戻りましょう」

「自分でするし!!!」

「こういうことは、自分でしないものです」

「俺は、自分で出来る!!」




水をはった盥で足を洗うように言うが
全力で拒否する




土方が、近くに行き





「足つけろよ 洗ってやる」


「/////やだ!!いいって!!!」



急に顔を真っ赤にする平助に


「恥ずかしかったのか……」


春嶽と康正が納得


「ほら!」


押しにまけ、土方に洗って貰うことに
なったが、完全に茹で蛸になっていた


「自分で洗うと袖が汚れるだろ
素直に言うこと聞いとけよ!」


「/////ありがと」


そんなわかりやすい平助に
春嶽と康正が目を合わせる


平助は、逃げるように去って行った



「土方……恋仲だったのか?」

「あれは、まずいぞ」



「恋仲では、ありませんよ
ただ、照れただけですよ
立場はわきまえてますよ」



「お前はな
姫様は、そうでないようだ
あまり近付くな」


「はい」






〝ちっちぇ足……
なんで、気づかなかったんだろうな…〟











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