浅葱色の魁
起き上がれるようになり
少し粥を食べ、また布団に寝る

「今日は、1日寝ていろ」


平助の頭を撫で、慶喜は仕事へ






廻りの雰囲気を察して

春嶽らに質問する




「誠様があんな感じでしたから
子作りは、当分先の話だと思ってました!
よかった!よかった!」




自分の看病が、誤解を招いたと自覚する





「そういう事実はない
いらぬ噂を流すと狼女に噛みつかれるぞ」




翌日




噂は、新選組まで届いた後



「すみません」


「……」



謝る春嶽らに平助は、何も言わなかった



「あの……」


「なに?」


「あ、お許し頂けるのですか?」


「噂なんて、いちいち気にするほど
繊細じゃない」






〝生きていたら、いずれ
噂通りになるんだから……〟








廊下を歩いていると
庭の警備中の原田と目が合う




〝噂… 信じてるのかな〟



他の警備に見つからないよう
近づいてきた原田が


「体調不良だったんだろ!?大丈夫か?」

「……うん もう、平気」

「そっか!無理すんなよ!」

「ありがと」



変わらない原田に、思わず笑顔になる




「何を話している」



慶喜が原田をギロリと睨む



「すみません」



「新選組か?」


「そう!体調を心配してくれてただけ!」


「そうか」



ジロジロと平助を見つめ



「話がしたいなら、場を設けてやろうか?」


慶喜の言葉に、平助が目を丸くする



「本当!?新選組の女中に会いたい!
陽乃って、仲良かったんだ!
俺が男なら、結婚するはずだったんだけど」


「なんだそれ… まあ、良いだろう」


「左之!良いって!
陽乃連れてきて!!あ!来るとき
俺の黒持ってきてって言って!」


「黒?わかった あ、わかりました」







屯所に戻り、皆の前で伝言を伝える



「黒?」


「何なんだ黒って」


「忍服の事です 嬉しい!
平助様とお話し出来る/////」





















< 203 / 283 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop