浅葱色の魁
翌朝








慶喜の腕の中で目を覚ます






「/////おはよ」



「良く寝ていたな」



「うん…部屋に戻る!」



「朝餉の後で、庭を歩こう」



「朝餉の後は、城内を歩くのが日課だ」



「ならば、それにつき合おう」








早速、歩き始めるが
慶喜と一緒ということで



「今日は、繕い物など駄目ですよ!」


「えー」








「わぁ!!いけません!姫様!!」


「えー」






「慶喜様に怒られます!!!」


「えー」








ムスッとした平助が慶喜を睨む




「お前と歩くと誰も話してくれない!!!」


「随分、皆と親しいのだな」


「ふんっ 毎日顔を合わせてりゃ
仲良くなるだろう」


「俺が、毎日同じ事をしても
其方のような関係は築けない…
其方の魅力だろう」


「将軍じゃなくなれば、同じだろ!?」


「将軍だから…
そうではない、俺は其方の嫌う
徳川の嫌なところを見てきた故
深く人と関わろうとしたことはない
其方が、初めてだ
嫌われようと、どんなことをしても
手に入れ、独占したいと思った
もっと、其方のことが知りたい」



「見たままだし、俺は……
徳川を名乗る気なんてないから
俺は、ここを脱けようと思えば
いつでも脱けられる!」





ニヤリと笑う平助は、危険な香りを漂わせ
慶喜を不安にさせた






















 






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