浅葱色の魁
「誠は?其方は、どう動くのだ?」


「ここにいる間は、新選組と同様
慶喜を守る
御所に行く事になれば
戦をやめるように進言する」



「新選組は…逆賊になるのか…」



「それは、確実だと思う
動き易い洋服を準備したり
砲術も戦用の訓練した方が良いな
刀が、通用しないかもしれないから
慶喜は…京を追われることになったら
和宮様の為に江戸城を手放せ
戦を悪化させないよう
和宮様が望むままに」



「誠… 
其方は、まるで先を見通しているようだ」


「2人が考えてないことの方が
驚きなんだけど…
毎日、滅茶苦茶考えてんのに…
あ、なんか変な心配してたらしいけど
本当に大丈夫だから」



土方に微笑む



「…伝えておく、ます」



「土方さんに敬語使われるのは気味悪い
ゾッとする」



「俺の事、どんな目で見てんだよ…」



「ははっ 慶喜と土方さんが仲良くて
なんか、すごく安心した!
皆の前じゃ、大っぴらにこんな話出来ないから!話せて良かった!」



「まったく…其方は
自分の事をこれっぽっちも考えておらぬ
いいか? 俺は其方を手放す気は無い!
これは、天子様の命であったとしてもだ!
どうせ逆賊になるならば尚更だ!」



「お前は、自分の事ばかりだな?
円満に徳川を終わらせることを
ちゃんと考えろ
今日は、話し合いに参加しないから」



「なぜだ?」



「へへっ 志賀様と甘味作りをするんだ!」


「甘いの苦手なのに?」


「土方さんに預けるから、総司に食べさせてくれる?」


「俺も食べたい!」


「慶喜…遠慮って知ってるか?
たくさん出来ればやらないでもない
何作るかも決めてないのに!!!
そもそも、俺の腕は普通だ!!!」


「普通とはなんだ?」


「不味くは無いって事だ」


「まぁ… 確かに、普通だったな」


「土方も食べたのか!!」


「女中がいないときは、皆で交代で料理当番してたんだ」


「……妬けるな」


「勝手に妬いてろ
さて!支度しにいってくる!」










結局、律儀に慶喜の分も甘味を作り



「……うん、旨い」


不味くは無いが物凄く旨いわけではない
丁度中間

慶喜が普通を理解した




< 224 / 283 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop