浅葱色の魁
世話人を宥め、慶喜の部屋へ



「おお!これは、美しい!!!」


「着物や化粧など揃えてくれてありがと!
支度が終わったなら、日課に付き合ってよ」


「格好だけ良くなっただけだな
なにも、宴の当日に歩き回らずとも…」


「日課だもん
慶喜と一緒ならいいって言うから
ね?付き合って!?」


「いいだろう
文句は言うなよ」




以前、日課に付き合い
『誰も話をしてくれない』と腹を立てた
ことを忘れたのかと、慶喜が心配し
念押しした






行く先々で、容姿を褒められ
にこにこと歩く



「呪いが解けた気がする」



平助の言葉に慶喜が立ち止まる


「呪い!?」


「女扱いされるのが、本当に嫌で…
でも、褒められると嫌な気はしない
あぁ 女だったんだぁ って
しみじみ実感してるとこ」


「よくわからぬ」


「あ!左之だ!行こ!」



慶喜の手を引っ張り、原田のところへ




「どう!?」


「かぁー!こりゃ別嬪だな!あ、ですね!」


「俺のことは、気にせずとも良い」


「左之に1番に見せたんだぞ!」


「そうか!兄である俺様に1番見せたかったってか!?」


「たまたま左之を見つけただけだよ」


「お前なぁ~俺様に見せたかったとか
言えよな!!」


「ぷっ 左之って、そんな面白かった?」


「誠の兄か…」


「そう、左之と新八と、もうひとり有助!」



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