浅葱色の魁
確信を持つ言い方をする平助に
土方が鋭い目つきで平助を睨む



「宴で慶喜様が狙われるってのか?」


「あんなに何度も話し合いをしたというのに
俺を消す機会があるというのか」


「なんのために毎日の日課をしてたと思う?
襲ってくる奴が誰かも、わかってる」


「警備に抜かりがあるなら、なぜ言わん!」


「お前… また、無茶する気だろ!!!
勝手なことすんなって!!!」


「勝手かもしれないけど
慶喜を守れるのは、俺だけだよ
例え、土方さんが慶喜の後ろにいても
横にいても守れない」


「誰だ」


「そうだ!誰かわかれば見張れる!」


「感づかれて、逃げられたら
次は、本当に守れなくなる
折角見つけたんだから、逃がさない」


「お前なぁ!!!いい加減にしろよ!!!
怪我でもしたら、慶喜様が気に病むだろ!
人に心配かけるのやめろよ!!!」



平助は、にっこり

自信満々に笑った








〝ここで死にたいんだ
誰かの側室になる前に藤堂平助として
墓に入りたい
土方さん……あなたは、俺が死んだら
悲しんでくれますか?
万が一、生き残ったら……
慶喜か天子様の子を産むことになる
それも、悪くないかもしれない
でも、土方さん
俺は、土方さんが好きです
もう… あなた以外の人に体を触られるのは、嫌なんだ〟








「慶喜には、生きていてもらわなきゃ」






〝仲良くなった2人なら
この先も大丈夫だよ〟








土方は、諦め大きなため息


慶喜を不安で一杯になった














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