浅葱色の魁
「気に入らんな」
「まったくです」
慶喜が、土方を真っ直ぐに見る
「俺のことは、いい
誠を守ってくれ」
「やるといっているからには、姫様は
慶喜様を守りきります
俺は、姫様の動きに集中して
姫様を御守りさせていただきます」
「頼んだぞ」
「はい!」
〝ったく!!
いつも勝手に動きやがって!!!
少しは、頼れ!っつーの!!〟
土方は、新選組の皆を集めて
平助が慶喜様の危険を確信していること
それを自分しか守れないと
土方に啖呵を切ったことを話
配置を変更して
平助を守ることを提案した
「もちろん、慶喜様を守ることが前提だ
アイツが、話してくれりゃ
こっちの動きも変わるのに…」
「平助らしいな…」
永倉が呟く
「俺にとって、平助は弟で姫様じゃねえ
危険なことには、真っ先に突っ込む
馬鹿な…
でも、頼りになる弟だ…
死なせたくない…」
「新八 俺様もだ
有助の分も、守ってやらねえとな!」
自室に戻った平助に
世話人がお茶を煎れる
「なんです?その……板」
「御守り」
「御守り……」
変わった姫だと顔を引き攣らせる
〝あの時は、兄弟の繋がっている証が欲しかった でも、その証があるせいで
藤堂家に迷惑がかかるから
大切な友に託した
今は、最も信頼する陽乃に託した
『生きていける』
あの家紋を見た時の気持ちは、今も
ここにある
藤堂平助として、ここに〟
何も書いてないただの板
平助の目には、家紋と兄弟の名が
思い出される
胸元にそれをしまい込む
世話人へ笑顔を見せ
「お願いがあります
私の背丈に合う、男物の着物を用意して下さいませんか?新品でなくて構いません」
「はぁ~? わかりました」
やはり…変わり者だという目を向け
部屋を出る
「まったくです」
慶喜が、土方を真っ直ぐに見る
「俺のことは、いい
誠を守ってくれ」
「やるといっているからには、姫様は
慶喜様を守りきります
俺は、姫様の動きに集中して
姫様を御守りさせていただきます」
「頼んだぞ」
「はい!」
〝ったく!!
いつも勝手に動きやがって!!!
少しは、頼れ!っつーの!!〟
土方は、新選組の皆を集めて
平助が慶喜様の危険を確信していること
それを自分しか守れないと
土方に啖呵を切ったことを話
配置を変更して
平助を守ることを提案した
「もちろん、慶喜様を守ることが前提だ
アイツが、話してくれりゃ
こっちの動きも変わるのに…」
「平助らしいな…」
永倉が呟く
「俺にとって、平助は弟で姫様じゃねえ
危険なことには、真っ先に突っ込む
馬鹿な…
でも、頼りになる弟だ…
死なせたくない…」
「新八 俺様もだ
有助の分も、守ってやらねえとな!」
自室に戻った平助に
世話人がお茶を煎れる
「なんです?その……板」
「御守り」
「御守り……」
変わった姫だと顔を引き攣らせる
〝あの時は、兄弟の繋がっている証が欲しかった でも、その証があるせいで
藤堂家に迷惑がかかるから
大切な友に託した
今は、最も信頼する陽乃に託した
『生きていける』
あの家紋を見た時の気持ちは、今も
ここにある
藤堂平助として、ここに〟
何も書いてないただの板
平助の目には、家紋と兄弟の名が
思い出される
胸元にそれをしまい込む
世話人へ笑顔を見せ
「お願いがあります
私の背丈に合う、男物の着物を用意して下さいませんか?新品でなくて構いません」
「はぁ~? わかりました」
やはり…変わり者だという目を向け
部屋を出る