浅葱色の魁
世話人をからかい遊んでいると



「姫様、慶喜様がお呼びです」



康正が呼びに来た





康正について入った部屋には
新選組の幹部と宴の警備を計画した春嶽



想像通りの顔ぶれに



「ぷっふっ あ、ごめんなさい
配置転換したいって言うんでしょ?」



楽しげに笑う平助に
近藤が、強い口調で言う



「笑いごとではありません!」



平助が、慶喜の隣に座り


宴の会場図の駒を見る



「うーん 惜しい」


「惜しいってなんだよ!!」


土方が、苛立つ



「これじゃ 怪我人が増えるよ
先に言っておくけど
怪我をするのは、俺だけでいい」


「誠!!!」


「あ、私」


「言葉遣いを言っているのではない!!!」


「朝からやたら言葉遣いを注意されるから
てっきり」



ヘラッと笑う平助を全員が睨む



「毎日毎日、どれだけ考えても
慶喜を助ける方法は、1つしかなかった
だから、怪我をするのは仕方の無いこと
まぁ…死ぬかもしれないけど
ちゃんと守れたら、本望だよ」



静まり返る部屋で、幸せそうに笑う


「ここ 空けてて
返り討ちにするから
一は、このままでいいよ
新八は、こっち
左之は、ここ
土方さんは、後ろじゃなくて慶喜の横
近藤さんは、客人としてここ
席とかは、もう支度してる
必ず、ここに刺客を追い込むから
後はよろしく!」



「其方… 当日に配置転換をさせることも
すべて、計画の内だったのか?」


「当たり前だろ!
想定外の事もあるけど
大丈夫!上手く運んでる!」


「想定外の事……」


「うん」



〝皆に守られて、死ねない気がしてきた〟



「もし……怪我で済んだら
天子様にお願いしたいことがあるんだよね」


「俺じゃないのか!?」


「だから!慶喜から天子様に頼んで欲しい」


「わかった 何だ?」


「よし!その時な!」


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