浅葱色の魁
慶喜へ兄弟の事を話した
「先ほど… 意識を戻した」
不穏な雰囲気に
女が言っていた『廃人』という言葉が
頭に浮かぶ
「会ってやってくれ」
慶喜の後に続き
部屋に入る
人形のように座した平助に
思わず足を止める
「噛みつくくらいが此奴らしかった
抜け殻だ… これでは、兄弟もわかるまい」
「慶喜様、食事も飲み物も駄目です」
世話人が、潤んだ目で首を振った
その夜は、一睡もせず
ただ瞬きをするだけの平助のそばに
幹部が交代で付き添った
「食えって!少しでいいから!」
「ほら!水飲め!」
翌朝
平助に食事をとらせようと必死に声を掛けるが、反応がなく
口を開けようともしないので
半ば強引に口を開け、食べ物を口内へ
咀嚼することなく、口内に溜めたまま
仕方なく今度は、口から出す
水は、タラタラと口から出て行く
「まさか……
ずっとこのままとか、言わねえよな…」
永倉が平助の肩を掴み揺らす
「食えって… 頼むから…」
「先ほど… 意識を戻した」
不穏な雰囲気に
女が言っていた『廃人』という言葉が
頭に浮かぶ
「会ってやってくれ」
慶喜の後に続き
部屋に入る
人形のように座した平助に
思わず足を止める
「噛みつくくらいが此奴らしかった
抜け殻だ… これでは、兄弟もわかるまい」
「慶喜様、食事も飲み物も駄目です」
世話人が、潤んだ目で首を振った
その夜は、一睡もせず
ただ瞬きをするだけの平助のそばに
幹部が交代で付き添った
「食えって!少しでいいから!」
「ほら!水飲め!」
翌朝
平助に食事をとらせようと必死に声を掛けるが、反応がなく
口を開けようともしないので
半ば強引に口を開け、食べ物を口内へ
咀嚼することなく、口内に溜めたまま
仕方なく今度は、口から出す
水は、タラタラと口から出て行く
「まさか……
ずっとこのままとか、言わねえよな…」
永倉が平助の肩を掴み揺らす
「食えって… 頼むから…」