浅葱色の魁
午後
藤堂高潔をはじめとする
平助の兄弟が、慶喜から現状を聞く
「そうですか」
あっけらかんと高潔が言う
話を理解していないのかと
慶喜が、念を押す
「其方らがわからぬ状態だ」
「はい 先ほどもお聞きしましたよ」
「覚悟は、良いのだな
土方 連れて行ってやれ」
廊下に出ると
「カタッ苦しい…」
「はぁ 平兄が女子だったなんて…」
「まだ、言ってる」
「シッ!静かにしてろ!」
土方が振り返ると兄弟がにこっと笑う
「そっくりですね
平助の兄弟と聞いて納得です」
土方が再び歩き始めると
「平助は、俺達よりも
新選組を選んだと聞いていたが
先ほど、陽乃から其方を想っての事と
聞いた」
安斐の言葉に、土方が再び足を止めた
「え!? 平兄と恋仲だったの!?」
「お前は、黙っていろ!」
「俺、平助を嫁にしたかったな…」
「はぁ!?なんでお前にやるか!!!
俺の嫁に決まってんだろ!!」
ごちゃごちゃと言い争いを始め
土方の隣に高潔が並び歩き出す
「すまんな 騒がしい兄弟で…
俺達兄の誰かに嫁ぐ話があったのだ
下の弟は、平助が女だということすら
知らせていなかった
まだ、色々整理がついていないんだ」
「そうでしょうね
俺も、どう受け止めていいのか」
「安斐が言っていたことは、本当だろう?
平助が女子の顔を見せた瞬間があった
兄弟よりもそばにいたい
そんな男が出来たのかと…
本音を言えば、安堵していた
あまりにも男らしく育ちすぎたからな」
「実は……気がつかなかったんです」
「フッ 平助なら、そう易々と見破られるようなヘマはしないだろう
俺達が育てたんだからな」
「平助に会うの……怖くないですか?」
「心が躍るようだよ」
そう、言って笑う高潔の表情は
土方からみても、嬉しそうだった
藤堂高潔をはじめとする
平助の兄弟が、慶喜から現状を聞く
「そうですか」
あっけらかんと高潔が言う
話を理解していないのかと
慶喜が、念を押す
「其方らがわからぬ状態だ」
「はい 先ほどもお聞きしましたよ」
「覚悟は、良いのだな
土方 連れて行ってやれ」
廊下に出ると
「カタッ苦しい…」
「はぁ 平兄が女子だったなんて…」
「まだ、言ってる」
「シッ!静かにしてろ!」
土方が振り返ると兄弟がにこっと笑う
「そっくりですね
平助の兄弟と聞いて納得です」
土方が再び歩き始めると
「平助は、俺達よりも
新選組を選んだと聞いていたが
先ほど、陽乃から其方を想っての事と
聞いた」
安斐の言葉に、土方が再び足を止めた
「え!? 平兄と恋仲だったの!?」
「お前は、黙っていろ!」
「俺、平助を嫁にしたかったな…」
「はぁ!?なんでお前にやるか!!!
俺の嫁に決まってんだろ!!」
ごちゃごちゃと言い争いを始め
土方の隣に高潔が並び歩き出す
「すまんな 騒がしい兄弟で…
俺達兄の誰かに嫁ぐ話があったのだ
下の弟は、平助が女だということすら
知らせていなかった
まだ、色々整理がついていないんだ」
「そうでしょうね
俺も、どう受け止めていいのか」
「安斐が言っていたことは、本当だろう?
平助が女子の顔を見せた瞬間があった
兄弟よりもそばにいたい
そんな男が出来たのかと…
本音を言えば、安堵していた
あまりにも男らしく育ちすぎたからな」
「実は……気がつかなかったんです」
「フッ 平助なら、そう易々と見破られるようなヘマはしないだろう
俺達が育てたんだからな」
「平助に会うの……怖くないですか?」
「心が躍るようだよ」
そう、言って笑う高潔の表情は
土方からみても、嬉しそうだった