浅葱色の魁
妾が、屯所にたどり着くと
門でバッタリ土方と出会す

 

「あっ!土方さん!!藤堂さんが…
藤堂さんが… 侵入者を追い掛けていきました」


「あぁ!?」



大口を開け、驚く土方と違い

永倉と斎藤は、顔を見合わせ



「やはり…」

「さすが…魁先生」



などと苦笑いしてしまう



「沖田さんを襲撃に来たようですけど
陽乃さんが、どこかにお連れした後でしたから、大事ありません!それと藤堂さんには、私の刀を持たせましたから!」



「はぁー 総司は、ここいる
おめぇも近藤さんが戻るまでここにいろ
俺たちは、平助を迎えに行ってくる」


「藤堂さんは、あちらの方へ向かっておりましたよ」


「…そうか、ありがとうよ」



屯所から少し離れると
永倉が呟いた



「次は、近藤さんが狙われている
ってことだよな!?」


「だろうな」


「一体、どうやってそんな情報を仕入れることが出来たのだろうか」


「俺は、平助の考えてることが、まるでわからねえ!だが、新選組の為に動いているって事くれぇは、わかる
まったく!!!一人で突っ走るなって
何度も言ってんのに!!!
拳骨くらいじゃ許さねぇ!!!」


「おいおい… 女に手を挙げるなよ!?」


「今更だろう…」


「だぁーっ!!ややこしい!!
男だか、女だかハッキリしろっての!!」




心配で苛立つ土方の背を追うように
永倉と斎藤が走る





〝近藤さん… 平助…
頼む… 無事でいてくれ…〟















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