浅葱色の魁
幹部達がきて
平助に視線が集まる

土方に抱き抱えられていることは、平助にもわかる



〝土方さん///恥ずかしい…おろして〟




平助の気持ちなど構わず
幹部の視線を遮るように
土方の顔が、ヒョコリとくる



「飲め」



水を飲ませようとしている


しかし、平助の意思と体は別



「飲まねえな…」



落胆する永倉の声



目の前に陽乃がきて


「平助様!お水!わかります!?
お水を飲んで下さい!!!」


〝聞こえてるっつーの〟





コクリ



「おっ!飲んだ!!」



土方の嬉しそうな声




〝どうやって動いてたんだ…俺〟





「陽乃、どうなってんだ!?」



「平助様は、お元気なんだと思います!
お体は、自由に動かせないようですが
頭と心は、ご健在なんですよ!」


「だが… このままでは、体がもたない」


「そうなんです
なので!お粥をお水のようにしてみました!平助様!!これ!美味しいですよ!
飲んで下さい!!!」





コク   コク   コク




「すげえっ!!!飲んでる!!!」




〝……お、美味しい〟



飲んでいる感覚はないのに
味だけは、伝わった



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