浅葱色の魁
食事を食べ終えると


談話をするため、土方の部屋へ向かう

途中、廊下で平助が足を止めた




「あ」





どうしたのかと、平助の様子を皆が
心配気に伺う





「昨日の夜さ
俺、土方さんと初めて会ったときの事を
夢で見たんだ!土方さん覚えてる?」



「……俺も
俺も、夢で見た」







見詰め合うと、土方が平助を抱きしめようとして、手を伸ばす





「ちょっと!!それ、やめろ!!!」




真っ赤な顔の平助に拒否され
土方は、ムッと顔を顰めた



「なんだ?平助、さっきは俺の弟だって
言ってたくせに、女子みたいに照れて」



永倉に茶化され、さらに赤くなる




「新八、俺の可愛い妹をいじめるな」



原田が、平助の肩を抱く



「ベタベタ触るな!」


ヤキモチを妬く土方が原田を引き離す



「一、行こう!」


「ん、そうだな」



じゃれ合う3人を置いて
先に進む




「お前の前では、鬼も形無しだ
土方さん 顔が緩んでいる」



「気づいてなかったのにな」



「その格好で化粧がないと、俺も…
女子だと忘れてしまうな
平助は、ガサツだ」



「は? 
結構苦労して女らしくしてるんだぞ?」



「……そうか」



どこら辺が?と聞きたかったが
大真面目に言っている平助には
わからないだろうと
斎藤は、庭を向き苦笑いを隠した









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