浅葱色の魁
会津藩御預 壬生浪士組


そう名乗ることを許されたが
仕事は与えられなかった




平助が阿比類と町へ出掛けた日



「平助……ごめん
ちょっと、休ませてくれ」


「鋭三郎、大丈夫か?
そこ座ってろよ 水貰ってくる」


「うっ」


「鋭三郎!!」



蹌踉けた阿比類を受け止めようとしたが
支えきれず、下敷きになる


阿比類の手と顔が、胸の上にあり



〝やばいっ〟



恐る恐る顔を覗くと
阿比類の意識はなかった


体格と体重の差で、抜け出すのに
時間を費やし


「ううっ」


結局、目を覚ました阿比類から


「説明してくれ…
後でいい… とりあえず… 寝たい…」


「鋭三郎!!
しっかりしろ!!
少し歩けるか!?」




京の屋敷に阿比類を連れて入る



「平助様!!どうなさったのですか!?」


「陽乃!医者呼んで!!」


「私が診ます!医術も心得ております!」









陽乃の見立ては、心の臓の病





「恐らく… 永くありません」















「そうか……近藤さんに知らせてくる
しばらく、看病してくれ」



「はい!承知しております!」










「それと……女って、バレた
俺から話をするから、聞かれても言うな」



「……はい」














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