浅葱色の魁
平助のモテぶりは、凄く


平助をひと目見るために
屯所近くで待ち伏せをする娘が増えた



「藤堂さん!こんにちは!」

「…こんにちは」

「きゃあーーー/////」



と、騒がれる始末




〝俺も女なんだけどな…〟




困惑したが、江戸でもモテていたから
大して気にしていなかった



「ん?なにしてんの?」



娘らの後方で、頬を膨らませた陽乃が
立っていた



「平助様に頼まれた品をお届けに」


ぶっきらぼうに言うと
風呂敷を差し出した


娘達をかきわけ、風呂敷を受け取る



「何?藤堂さんのいい人!?」



嫉妬気味に呟かれた言葉が耳に入る



「んで、なんで怒ってんの?」


「怒ってなどいません!!!!!」


「……怒ってるだろ」


「よお!お前良いとこに来た!
平助!中に入れてやれ!」




通りすがりの土方に促され
平助と陽乃が屯所に入る



「陽乃だったな」


「はい」


「繕い物してくれねぇか?」


「構いませんけど」


「そうか、よろしくな
平助 陽乃を手伝ってやれ」


「は?なんで俺がっ!」


「お前がヤキモチ妬かせるから
陽乃がふくれてたろ?
埋め合わせしろ」


「ヤキモチ妬いてたのか?」


「///知りません!!!!!」


「平助…お前、女の扱い下手だな」


「るせぇ!!!」


「じゃ!2人で仲良くな!」








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