浅葱色の魁
2人、無言で繕い物をしていると


「申し訳ありません…」


「ん? 何? 何、謝ってんの?」


「ですから… ヤキモチ…」


「ぷっクククッあはははははっ!」


「どうして笑うのですか!!!」


「だって、可愛いなって思ったから!」


「え/////」


「だって、俺にヤキモチって クククッ」


「気味悪いでしょ?」


「いや、だから可愛いって
他の子にきゃあきゃあ言われても
なんともないけど、陽乃がヤキモチ妬くくらい俺のこと好きでいてくれるのは
すげえ嬉しいよ」


「平助様/////」



再び、無言で繕い物をする







〝好きでいてくれる間は
徳川に俺の事を言わないでくれるかな?
陽乃… 可愛いって言ったのも
嬉しいのも本当だよ
俺が、男ならきっと恋したかな〟




チラリと陽乃が平助に視線を移し


「平助様 あの方でしょう?」


「……それ、女の勘って奴?」


「そうです!やはりあの方ですか!」



頬を膨らませた陽乃が繕い物を再開する


「クスッ」


平助が陽乃の頬を突いた


「ひやぁあ!!!」


「あはははははっ!!!何その反応!!!」


「もう!!!」


「あはははははっ!!!」



平助の笑い声に、試衛館の仲間が集まり

「なんだ?平助の恋仲か?」

陽乃は、赤くなり俯いた



「そんなとこ」



平助が言えば、さらに赤くなり
繕い中の衣で顔を隠した






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