浅葱色の魁
「平助様…お逃げ下さい…
隠れ家を記した紙を…
最後まで、お供できず…面目ない…」
平助を守り、家臣が斬られ亡くなった
逃げなければ…
捕まれば、藤堂家の皆が咎められる
慣れない女物の着物で、必死に走った
追っ手を捲くことは、出来たが
今度は、山賊に追われ、再び走る
もう、走れない…
岩場に隠れ、捕まることを覚悟した
「立て!!諦めるな!!ほら!走れ!!!」
薬箱を背負った男に引っ張られ
岩場から、広めのところまで走る
「下がってろ」
男が、平助の前に立ち、長い棒を構えた
刃物を振り回す山賊を棒だけで倒した
「怪我は?」
「ぁ…っ」
「フッ 水飲め」
差し出された筒を受け取り、水を飲む
「はぁ~」
「女がひとりで山を歩くのは、危ねえぞ
ここまでくりゃ、あとは下ると村がある
宿代あんのか?」
「はい!ありがとうございます!
あの…お礼を…」
「礼か…」
男は、平助を引き寄せ、唇を重ねた
「じゃあな!」
清々しく去って行く
後ろ姿をしばらく見続け
左手で唇をなぞる
「何… 今の…」
呆然と立ち尽くした
隠れ家を記した紙を…
最後まで、お供できず…面目ない…」
平助を守り、家臣が斬られ亡くなった
逃げなければ…
捕まれば、藤堂家の皆が咎められる
慣れない女物の着物で、必死に走った
追っ手を捲くことは、出来たが
今度は、山賊に追われ、再び走る
もう、走れない…
岩場に隠れ、捕まることを覚悟した
「立て!!諦めるな!!ほら!走れ!!!」
薬箱を背負った男に引っ張られ
岩場から、広めのところまで走る
「下がってろ」
男が、平助の前に立ち、長い棒を構えた
刃物を振り回す山賊を棒だけで倒した
「怪我は?」
「ぁ…っ」
「フッ 水飲め」
差し出された筒を受け取り、水を飲む
「はぁ~」
「女がひとりで山を歩くのは、危ねえぞ
ここまでくりゃ、あとは下ると村がある
宿代あんのか?」
「はい!ありがとうございます!
あの…お礼を…」
「礼か…」
男は、平助を引き寄せ、唇を重ねた
「じゃあな!」
清々しく去って行く
後ろ姿をしばらく見続け
左手で唇をなぞる
「何… 今の…」
呆然と立ち尽くした