浅葱色の魁

五

御所の警備をした褒美が出た翌日


新選組の隊士が数名、亡くなった



そのほとんどが攘夷派であったことから
〝粛清〟ではないかと
平助は、土方らを疑った



〝なぜ、自分が生かされているのか〟




その理由を考えるようになった







市中見廻りが終わり


浅野家で一息






｢お疲れのようですね｣


｢うん…　皆とは、思想が違うから…
あんまり、気持ちを話せない
鴨には、言えたかもしれなかったなぁ｣


｢徳川の事ですか？｣


｢うん　女だということも
鴨なら……受け入れてくれたかなって｣


｢皆様と上手くいっていないのですか？｣


｢そうだな…
何も話してくれないのは
俺が信用できないからだろうし
俺も、皆に言えないのは
自分に自信がないからで…
結局、俺が悪いんだけど…
…さみしいもんだ｣


｢平助様は、お優しいから
色々と気に病んでしまうだろうと
気遣いされているのですよ｣



｢…そうかなぁ
幹部全員知っていて、俺だけが
何もしらないんだぞ！？｣


｢私は、平助様のお優しい心根を存じております故、平助様が傷つくことは、知らせたくありませんよ！｣


｢……ふぅん
じゃあ、お願い
もしも、俺が聞きたくない情報あるなら
言ってよ｣


｢ええ？……まあ、平助様がそう言うなら
そんな情報がありましたら……｣


｢ないの？｣


｢ええ　今のところ｣


｢……そう｣






　　　


〝できれば…陽乃の口から聞きたかった
徳川の隠密なんだって…
粛清の事も土方さん達から…
そんなに俺は、弱いのかな
もっと…強くならなきゃ…〟