浅葱色の魁
帰り道



「人斬りや!!!誰かーー!!!
その2人捕まえてーー!!!」



どこからか、そんな声がした


皆が耳を澄ましていると

平助がゴソゴソと刀を腰から外す



「は!?平助!」


「待て!丸腰は、駄目だぞ!」


「陽乃、持ってて」


「はい」


「駄目っつってんだろうがっ!」


「大丈夫!」


「平助!」



走り屋根上に上がると
逃げている者を見つけ
先回りする為、走り始めた



「永倉!斎藤!加勢に行け!!」



土方が指示を出した後
陽乃を見る


しっかりと平助の刀を抱きしめていた



「止めろよ」



ぶっきらぼうに言うと



陽乃は、にこり



「平助様が大丈夫と言うのですから
大丈夫ですよ!」



少しも心配していない
その様子に目を丸くする






「夫婦みてぇだな…」








無事に人斬りを取り抑え

屯所に帰ってから
土方にきっちりと説教をされた














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