浅葱色の魁
近藤が諸藩会議に招かれた



翌日




新選組の幹部が広間に集められた





「幕府から禄位給付するとの話があった」





平助が近藤から視線をそらした


「やはり… 平助は、そういう反応をすると思っていたよ」


「何で、幕府からなんだよ!!」


「平助…」


近藤が言いにくそうな表情を見せた



「幕府に取り立てられるのか?」


「貰えば… そうなる…」


「俺だってわかってる
給付がなければ、人を雇えないし
組としての存続が危ういことくらい!
でも!幕府につくのは嫌だ!」


「平助君 君が攘夷派なのは知っているよ
だがね… ここで君の個人的な意見は
たんなる我が儘だよ」


山南に言われると
平助は、太股の上で握った拳に力を入れる



「わかった…」




納得いかない様子なのは、一目瞭然

スッと立ち
出て行く平助を誰も止めなかった





「山崎」

「はい」



土方が山崎を呼んだ




「俺は、平助を疑ったことは一度もねぇ
皆もそうだろ 
いつか… あいつが自分で話してくれるのを待つしかねえかなって…
だが… 気になることがあってな」




土方が山崎をチラリと見る




山崎がコクンと頷いた




「藤堂さんは、忍です」




全員が目を見開いた



「恐らくと言いたいとこやけど
確信してます
こっそり後つけたりしてんけど
完全にまかれます」










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