浅葱色の魁
その男は、七桜(ナナオ)と名乗った


背丈は、平助と同じくらい
華奢な体に色白の肌
しなやかなで色気のある仕草
喉仏がなければ女と見間違う容姿



七桜の舞にうっとり




誰もが魅了されていた




舞が終わると平助に酌をする



「藤堂さん///どうぞ///」


〝……なんで陽乃みたいに赤くなるの?〟




「ありがとう」



クイッと酒を飲む


七桜にも飲ませ



しばらくすると



「藤堂さん/////」


七桜が抱きついてきた


〝やばっ!!!〟


「うわっ!離れろっ!!!」


〝力強っ!!!どうしよっ!!〟


「七桜さん!!平助君は、男の子ですよ!」



沖田が止めに入るが


ゴソゴソと七桜の手が平助の懐に入る


「なっ!辞めろって!!!馬鹿!!」


七桜が平助の胸に触れる


「いい加減にしろっ!!!」


平助が七桜を突き飛ばす


〝バレた……どうしよう…〟



「七桜!平助は、体に火傷があり
触られることが嫌なんだ!」


虚ろな目をしたほろ酔いの七桜が
にこりと笑う


「火傷?あー、火傷の感触だったのかしら」


「七桜!水飲め!ちょっと酔いを冷ませ!」


永倉が渡した水を一気に口に含むと

平助に口づけして、飲ませた



全員が、呆気にとられ

呆然とする




「藤堂さん……スー スー スー スー」


平助を抱きしめ寝息を立て始めた



「嘘だろ……なんなんだよ
めちゃくちゃ酒癖悪ぃ
あれ?力強っ!!!ちょっと
誰か、助けて!!離れたい!!!」



暴れる平助を見て

我に返ると



「ぷっ!ごめん!平助!あははっ!」


「あははははははっ!!」


全員が笑い転げた



「助けろ!!本当、離れたい!!!」








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