浅葱色の魁
康正の目が、あまりにも鋭く






「はぁ~」



腕組みをして天井を見上げる



「家定様は、実に将軍らしいお方でした
家定様を慕う者は多く
生まれてすぐに行方知れずとなった
お世継ぎを探している者が多い
春嶽は、良い方です
平助様の幸せを願っている者のひとりですから…そうでない者もおります
お命を狙う者がいるのです!
どうか! この朝比奈に
平助様のお命を守らせて下さい!!!」




朝比奈が、あまりにも必死なので






「人違いなのに…命を狙われるんだなぁ
クスクスッ」





逃げることを考え始め

自分の弱さに、笑ってしまう






「平助様!!!どうか…」





懇願する朝比奈の目から、涙が溢れる






















組んでいた手を解き、下ろす





「…どうやって逃げるの?」






「平助様!! ありがとうございます!!」











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