浅葱色の魁
幹部らの姿が見えなくなってから



「よし!出立だ!」


朝比奈が籠持ちに指示をする


ガタン

「待って!!!」



籠の扉を開け、平助が外へ



「すみません!!!
俺、新選組にいたい!!!
仲間を裏切るなんて出来ない!!!」



「大事にされているとわかり、安心しました
彼らなら…平助様を我ら同様に守ってくれるでしょうね」


「俺は!平助様のそばでお守りしたい!」


「朝比奈! 私達の出る幕ではないよ
平助様、今から戻るのは不審がられます
今夜は…」


「大丈夫! 泊まるとこあるから!」


「作用で… 何かお困りでしたら
いつでも、我らを使って下さい!!!」


「ありがとうございます
よく考えたら、顔似てるくらいで
逃げ回るのおかしいですよね!?
俺は、どこかの藤堂家の落胤で
徳川とは、無縁なんだから!」


ニカッと平助が笑うと




「そっくりですね…本当に…」


「まったくだ」




「人違いだとしても、守ってくれるとか
俺の為に、泣いてくれて
嬉しかった!!お元気で!!!」





2人に頭を下げ、陽乃のいる
浅野家を目指し、夜の町を掛けて行った
















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