浅葱色の魁
天然理心流 試衛館
そう書かれた門を括ると
平助は、目をパチパチさせた
「あのさ…天然理心流って何?」
「クスクスッ やっぱり君は、良い反応だね
僕は、小野派一刀流からの北辰一刀流
あちらは、神道無念流 永倉君
それに、山口一刀流 斎藤君
向こうは、宝物流の槍 原田君
山口君は、君と同じ歳だよ」
「へえ」
「永倉君! 近藤さんは、どちらだろう?」
「よう!山南さん!息子か!?」
「え?」山南が平助をチラリ
「坊主!名前は?
父ちゃんと同じ流派か?」
「わわわっ!永倉君!
彼は、息子じゃないよ!」
「北辰一刀流 目録 藤堂平助だ
歳は、15!!坊主じゃねぇ!!」
「ハッハッハッ!!!悪ぃ!!!
歳の割に、小せえし童顔だから
山南さんの子かと!!!ハッハッハッ!!」
「てめぇ… なめてんのか… 勝負しろ…」
「平助君! 道場破りじゃないんだから!
今日は、会わせたい人がいるからね!」
「るせぇ!!!
馬鹿にされて黙ってられるかよ!!!」
「よっしゃ! 1本やるか!?」
「永倉君ダメだよ!近藤さんの許可を貰ってからね!平助君もいいね!?」
「賑やかな客人だな山南君」
よく通る物静かな声に、道場が静まり返る
「やぁ近藤さん!騒がせてすまないねぇ!
平助君!こちらが、天然理心流の近藤さん
そして、土方君と沖田君だよ」
「君が平助君!?
わぁ!お手合わせしたいです!」
女の子が欲しいものを強請るように
小首を傾げ、沖田が近づいた
咄嗟に、平助が後ずさりした
「ふぅん 小僧いくつだ?
総司の殺気に気づくとは、なかなかだな」
「……」 土方を見て、固まった
「なんだよ なんかついてんのか?」
ハッと我に返ると平助は、俯いた
山で助けてくれた憧れの人
自分の事を覚えていたらどうしよう
「帰る」
「え?平助君!!ちょっと!!」
戸惑う山南を置き去りに
がむしゃらに走り、屋敷に逃げ帰った
自分が女であることが、呪いのように思え
それから、しばらく道場で山南を避けた
そう書かれた門を括ると
平助は、目をパチパチさせた
「あのさ…天然理心流って何?」
「クスクスッ やっぱり君は、良い反応だね
僕は、小野派一刀流からの北辰一刀流
あちらは、神道無念流 永倉君
それに、山口一刀流 斎藤君
向こうは、宝物流の槍 原田君
山口君は、君と同じ歳だよ」
「へえ」
「永倉君! 近藤さんは、どちらだろう?」
「よう!山南さん!息子か!?」
「え?」山南が平助をチラリ
「坊主!名前は?
父ちゃんと同じ流派か?」
「わわわっ!永倉君!
彼は、息子じゃないよ!」
「北辰一刀流 目録 藤堂平助だ
歳は、15!!坊主じゃねぇ!!」
「ハッハッハッ!!!悪ぃ!!!
歳の割に、小せえし童顔だから
山南さんの子かと!!!ハッハッハッ!!」
「てめぇ… なめてんのか… 勝負しろ…」
「平助君! 道場破りじゃないんだから!
今日は、会わせたい人がいるからね!」
「るせぇ!!!
馬鹿にされて黙ってられるかよ!!!」
「よっしゃ! 1本やるか!?」
「永倉君ダメだよ!近藤さんの許可を貰ってからね!平助君もいいね!?」
「賑やかな客人だな山南君」
よく通る物静かな声に、道場が静まり返る
「やぁ近藤さん!騒がせてすまないねぇ!
平助君!こちらが、天然理心流の近藤さん
そして、土方君と沖田君だよ」
「君が平助君!?
わぁ!お手合わせしたいです!」
女の子が欲しいものを強請るように
小首を傾げ、沖田が近づいた
咄嗟に、平助が後ずさりした
「ふぅん 小僧いくつだ?
総司の殺気に気づくとは、なかなかだな」
「……」 土方を見て、固まった
「なんだよ なんかついてんのか?」
ハッと我に返ると平助は、俯いた
山で助けてくれた憧れの人
自分の事を覚えていたらどうしよう
「帰る」
「え?平助君!!ちょっと!!」
戸惑う山南を置き去りに
がむしゃらに走り、屋敷に逃げ帰った
自分が女であることが、呪いのように思え
それから、しばらく道場で山南を避けた