ミエナイモノ
小太郎が私を睨みつけた。



そして次の瞬間、思いっきり飛びかかってきて、気づいた時には顔が目の前にあった。



頬に鈍い痛みがはしる。



小太郎が私の顔をひっかいたということを理解するのに少し時間がかかった。



触れてみると、生暖かい液体が手を赤くした。



小太郎はまだ部屋を走り回る。



時には本やペン立ても倒していく。



そして、花瓶にぶつかった。





パリン





嫌な音が響く。



もう部屋の中はグチャグチャだ。



ふと小太郎を見る。
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