ミエナイモノ
お母さん
「俺、りなが好きだ。」
私は優人と手を繋いだ。
最高の時間。
「ねぇ、優人。私も好きだよ。」
優人を見た。
その顔は、優人ではなかった。
あの、恐ろしかった小太郎の顔になっていた。
「嫌だっっ!!」
目が覚めた。
汗で布団がぐっしょり濡れている。
…夢だった。
やっぱりまだあのことは引きずっているんだと思った。
精神的に完全には立ち直れていない。