ミエナイモノ
おばけかなにかだと思った自分が恥ずかしくなった。



「私、怖い夢見て起きちゃったんだ…」


私は話しかけた。


お母さんからの返事はない。


いつもは優しく返してくれるのに、どうしてだろう。


「お母さん?どうしたの?」


私はそこで初めて異変に気づいた。










お母さんはなぜか 包丁 を握っていた。









「え、?」


何をしているの?ねぇ、何をしているの?


私が寝ぼけて勘違いしているのかもしれない。


もう1度話しかけた。


「お母さん、それ、何…?」


返事はない。


そのかわりに、ゆっくり顔を上げた。




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