ミエナイモノ
その時頭には風と優人の笑顔が浮かんできた。



私には2人がいるから大丈夫。と自分に言い聞かせる。



それしか、落ち着くためにできることは無かった。








ガチャン!



隣の部屋の扉を開ける音が聞こえた。



もうすぐこっちにも来てしまうかもしれない。



見つかるのは時間の問題だと思った。



「イナイ…」



スタ…スタ…



足音が近づいてきた。



この部屋の前で足音が止まる。



ガチャン!



勢いよくドアが開けられるのがわかった。



来た。来てしまった。



「イナイ…」



低い声がすぐ近くで聞こえる。



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