ミエナイモノ
それから私は自分のした事の重大さに気づいた。
自分の母親を、殺してしまったのだ。
はっ、となり、お母さんにかけよった。
肩を揺らしても無反応。
「…ごめんなさい…」
「ふっ、ふふっ…」
むくっと、お母さんは立ち上がった。
頭から血を流したまま。
「え…」
どんっ
お母さんに肩を押された。
お母さんの力ではありえないぐらいの強さだった。
私は湯船に倒れる。
湯船にはまだ今日の夜のお湯が張ってあった。