ミエナイモノ
「りなちゃん…?」
優しいいつものお母さんの声が聞こえた。
はっと目を開ける。
心配そうな顔のお母さんが目の前にあった。
「…え?」
私、死んでないの?
刺されてない…?
なんで生きてるの?
「お母さん…?」
「りなちゃん、大丈夫?」
急に、涙が溢れた。
泣こうともしていないのに、勝手に流れた。
「お母さんっ…!いつもの、おかあ、さん…!よかった、よかった…うぅ…」
お母さんは、私を抱きしめてくれた。