ミエナイモノ
そしてまた、ケラケラ笑った。
この子、何がしたいんだろう。
キーンコーンカーンコーン
「えー、もうチャイムなっちゃったー。あ、そうだ!私の名前言ってなかったね!平田 りなだよ!よろしくね」
そう言って私に背を向けた。
私は思い切って、「わ、私は田中 香!よ、よろしく…ね。」と言った。
すると、ばっと振り向いて「よろしくね!」と言ってくれた。
なぜだろう。すごく、心が暖かくなった。
平田さん…。
忘れないように、私は何度も心の中で彼女の名前を唱えた。