執着系上司の初恋
上司のつつがなく続く日々 プロローグ
昼過ぎから曇りぐもが低く広がって、季節はすっかり冬。冷たい風に身体が冷やされ、モチベーションなんか上がるわけもなし。
得意先からの帰り道、なんともなしにため息が出た。
今日はこのまま直帰して家で熱燗と、鍋でもしてえな。。そんな思考にとらわれて、すぐそばの部下の存在を忘れていた。
「冴木課長、すいません。
僕がしっかり先方に確認しなかったために、課長にまで謝罪のために同行させてしまって。」
そう申し訳なさそうに、縦に長い身体を折り曲げて俺に謝っていたのは入社二年目の宮本だ。
「いや、君に対してのため息じゃないよ。自分に対してのため息だ。
大口案件を二年目の君に任せるのを決めたのは僕だし、進捗フォローを怠った僕にも非がある。
謝罪に同行するのは当然だし、上司の謝罪の仕方も若手の君には勉強になっただろうからね。」
スラスラと口から部下へのフォローが出てくるのは経験なのか、性格か。
あながち嘘でもないが、面倒な得意先への失態は、迅速な謝罪と対応が大事だろう。
今回は宮本には無理だろうとミスが分かったその日の内に謝罪に俺が行ったわけだ。
正直、数値、期限についての変更依頼については曖昧な返事などしてはならないと
新人時代に教わってきてるはずだろうとの思いもあるが。。。まあ、それについては他にも問題があるからな。
「課長っ!俺、課長について行きます!!課長の右腕になれるよう頑張ります!」
茶色のタレ目がちの目をキラキラさせた長身の宮本に、パーソナルスペースを無視した距離感で詰められると、こいつの綺麗めな顔が近すぎてうざい。
「わかった、っとに、近いから。それに上司には 俺 じゃなく 僕 だと言ってるだろう。
それに、今回は大事なかったが、同じミスは二度はするなよ。」
問題が発覚してから、顔を青くして謝っていたが、反省はしっかりと次に生かしてもらわないと、こいつの成長にならない。
そう思って、意識的に厳しい視線を向け、低い声で注意する。
「、、っもちろんですっ!」
なぜか目元を赤くして、息が荒い?が返事は真面目だ。
若いっていいなとこいつを思えるのは、俺が30も半ばを過ぎたオッサンだからだろうな。
宮本は今どき男子の風貌なのに、冷めた所もなく真っ直ぐで努力家だ。
たまに、確認をおろそかにし勢いで仕事をこなすのがたまに傷だが、、
「課長みたく、仕事のできる大人な男になりたいんです!」
と、細身の紺色オシャレスーツを着こなした今どき男子は息巻いている。
こんな風に慕われていると、フォローもしたくなるだろう。
別に、男にかわいさなど求めていないが、ついつい、いい上司づらをしてしまう自分に苦笑いだ。
さあ、帰社してひと踏ん張り。。
得意先からの帰り道、なんともなしにため息が出た。
今日はこのまま直帰して家で熱燗と、鍋でもしてえな。。そんな思考にとらわれて、すぐそばの部下の存在を忘れていた。
「冴木課長、すいません。
僕がしっかり先方に確認しなかったために、課長にまで謝罪のために同行させてしまって。」
そう申し訳なさそうに、縦に長い身体を折り曲げて俺に謝っていたのは入社二年目の宮本だ。
「いや、君に対してのため息じゃないよ。自分に対してのため息だ。
大口案件を二年目の君に任せるのを決めたのは僕だし、進捗フォローを怠った僕にも非がある。
謝罪に同行するのは当然だし、上司の謝罪の仕方も若手の君には勉強になっただろうからね。」
スラスラと口から部下へのフォローが出てくるのは経験なのか、性格か。
あながち嘘でもないが、面倒な得意先への失態は、迅速な謝罪と対応が大事だろう。
今回は宮本には無理だろうとミスが分かったその日の内に謝罪に俺が行ったわけだ。
正直、数値、期限についての変更依頼については曖昧な返事などしてはならないと
新人時代に教わってきてるはずだろうとの思いもあるが。。。まあ、それについては他にも問題があるからな。
「課長っ!俺、課長について行きます!!課長の右腕になれるよう頑張ります!」
茶色のタレ目がちの目をキラキラさせた長身の宮本に、パーソナルスペースを無視した距離感で詰められると、こいつの綺麗めな顔が近すぎてうざい。
「わかった、っとに、近いから。それに上司には 俺 じゃなく 僕 だと言ってるだろう。
それに、今回は大事なかったが、同じミスは二度はするなよ。」
問題が発覚してから、顔を青くして謝っていたが、反省はしっかりと次に生かしてもらわないと、こいつの成長にならない。
そう思って、意識的に厳しい視線を向け、低い声で注意する。
「、、っもちろんですっ!」
なぜか目元を赤くして、息が荒い?が返事は真面目だ。
若いっていいなとこいつを思えるのは、俺が30も半ばを過ぎたオッサンだからだろうな。
宮本は今どき男子の風貌なのに、冷めた所もなく真っ直ぐで努力家だ。
たまに、確認をおろそかにし勢いで仕事をこなすのがたまに傷だが、、
「課長みたく、仕事のできる大人な男になりたいんです!」
と、細身の紺色オシャレスーツを着こなした今どき男子は息巻いている。
こんな風に慕われていると、フォローもしたくなるだろう。
別に、男にかわいさなど求めていないが、ついつい、いい上司づらをしてしまう自分に苦笑いだ。
さあ、帰社してひと踏ん張り。。