執着系上司の初恋
美魔女の休日 前半
作者から一言
美魔女の旦那さんは誰でしょう?
皆さんのよく知る方です。



窓から暖かな日差しが入り込むリビングで、お気に入りのウェッジウッドのコーヒーカップを手にぼんやりと考えるのは、なんだか残念なあの子の事。

すっかり冬らしくなったこの頃、私のようなお年頃に冷えは大敵。
代謝が落ちてはせっかくのサプリが、年齢に戦いを挑む私の手助けをおろそかにしてしまう。
美貌維持のためならば、大嫌いな青汁だって豆乳と多めの蜂蜜をぐるぐるかき回して飲み干す。
美人は一日にしてならず、継続こそ力なりってね。
だからこそ、あの子ったら、若いからって努力もせずに可愛いから憎たらしいのよ。

「僕のお姫様は、何をそんなに嬉しそうなの?」
近所のゴルフの打ちっ放しから帰ってきた主人はいつも通り暑苦しい。

「ついね、、、いい事があったの。そうね、もう言ってもいいかしら。ここ何日か黙ってたけど、あなたも明日はびっくりするんじゃないかしら?」
あの、可愛いのになんだか残念な子を思い出すと、つい唇がほころぶ。

「なんだい、サプライズかい?僕が焦らされるのは苦手って知ってるだろう?君はいつだって僕を弄ぶ。」
そうやって、口を突き出したところで、50過ぎのおじさんはかわいいはずないんだけど、私の目は主人と結婚してから調子が悪いみたい。
「そう。彼女が約束を守ってくれたら、サプライズ成功だわ。」
謎かけのような会話を主人と楽しみつつ、サプライズは何もあなただけじゃないんだけどとほくそ笑む。
「ちょっと、その顔は心配だな。何を企んでるの?」
ふふふ、ちょっといじめすぎたかしらね。

「じゃあ、教えてあげる。明日は加藤さん、最高のコンディションで会社に来るはずよ。」
まあ、ここで種明かしをしておくと、もう一人の反応を見逃さずに済むものね。
「最高のコンディション?。。。。。何したの?
なんかあの子頑なで複雑そうだから、道のりは長いと思ってたのに。」
やっぱり君は最高だと言って、目尻にキスをする。
結婚してからというもの、たまにこの甘さに溺れそうになるが、ないなら無いで、寂しく思う私とあなたはお似合いなんだろう。
「何言ってるの。その為に私に加藤さんの事話したんでしょう?まあ、言われなくてもどうにかしてたとは思うけど。」
あなたが何か企んでるのなんてお見通しよ。
「でも、あなたが企んだ以上の事になりそうよ。イケメン冴木君がついに見つけたのよ。本気の相手を」
さあ、驚いてと種明かししたのに、主人の反応は鈍い。本当なんだー。なんて、
誰よ、主人に冴木君のこと言ったの。
「ああ、ごめん。そんなかわいい顔しないで。金曜日、和田達と飲んだんだ。そしたら、鈴木がさ、冴木が加藤さんに褒められたら赤面して、言葉に詰まってたって話してたんだよ。でも、君は社内だろ。冴木くんの話どうして知ってるの?」
あのイケメン、社外でもあからさまなのね。なんだか、誰かにそっくりよ。
まったく、男のくせに三人揃って噂好きなんだから。私の楽しみをどうしてくれるの。

「それって、水曜でしょう?鈴木さんの所での話は知らなかったわ。
ふーん。冴木君と加藤さんの間に何があったのかしら?知り合いってわけでもなさそうだし。」

まあ、でもと頬杖しながら思い直す。
たとえ本人が無自覚でも、本能が本気の相手を見つけたなら時間も理由もいらないわね。
そんなもの、相手の事を思う感情を正当化する為の後付けでしかないもの。

「先週は私、水曜から行ったじゃない?木、金って、冴木君あからさまに彼女をずっと目で追ってたのよ。本人、無自覚みたいだったけど。」

そう、あのイケメン冴木の傍若無人な態度を思い出す。




作者からお詫び
すみません。つい遊び心が。読みづらかったですね。
旦那さんは川上人事部長でした



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